近年、オンラインカジノに関連した逮捕・書類送検事例が急増しています。特に2023年以降は、一般利用者だけでなく、有名人やYouTuberなども検挙対象となっています。
オンラインカジノの違法性について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
本記事では、これまでに公表されたオンラインカジノ関連の逮捕・書類送検事例を、最新情報とともに時系列でまとめました。
日付 | 対象者 | 事案内容 | 罪状 | 結果・刑罰 |
---|---|---|---|---|
2025年4月3日 | 吉本興業所属タレント6人 | オンラインカジノ利用 | 賭博容疑 | 書類送検(起訴を求める厳重処分) |
2025年2月23日 | オリックス山岡泰輔 | オンラインカジノ利用 | – | 活動自粛(検挙なし) |
2025年2月5日 | 吉本大、なかむら★しゅん | オンラインカジノ利用 | – | 事情聴取(後に書類送検) |
2025年1月20日 | リバトン11人(石川宗太郎ら) | オンラインカジノ利用 | 組織的常習賭博罪 | 書類送検(一部は詐欺罪で起訴済み) |
2024年12月23日 | 西澤範行(青森市職員) | オンラインカジノ利用 | 常習賭博罪 | 罰金10万円、停職3ヶ月 |
2024年11月 | 一般利用客57人 | ベラジョンカジノ等利用 | 賭博容疑 | 書類送検 |
2024年9月19日 | 伊達智美(卯月ちゃんねる) | アフィリエイト勧誘 | 常習賭博幇助 | 未確定 |
2024年7月30日 | S.P.A代表者ら5人 | 決済代行 | 常習賭博 | 未確定 |
2024年6月21日 | 石川翔多朗(勇者トロ) | オンライン配信 | 常習賭博 | 起訴内容認める |
2024年2月29日 | 藤野正一(ストマック) | オンライン配信 | 常習賭博 | 懲役1年・執行猶予3年 |
2024年2月19日 | DORA麻雀運営者7人 | サイト運営 | 賭博場開帳等図利 | 未確定 |
2023年9月27日 | スモウペイ関係者、客18人 | 決済代行 | 常習賭博幇助・賭博 | 一部起訴 |
2023年9月7日 | 宮田隆季(りゅーき) | オンライン配信 | 常習賭博 | 罰金50万円 |
2022年9月20日 | 伐渡アーマッド裕樹 | 詐欺的勧誘 | 特定商取引法違反 | 懲役1年10ヶ月・執行猶予4年、罰金300万円 |
2016年6月10日 | ドリームカジノ運営者5人 | サイト運営 | 常習賭博 | 懲役3年・執行猶予4年、750万円没収など |
2016年3月10日 | スマートライブカジノ利用者3人 | オンラインカジノ利用 | 単純賭博罪 | 2人は罰金、1人は不起訴 |
2025年のオンラインカジノ周りの主な逮捕事例
2025年に関しては、タレントや著名人周りの逮捕・書類送検が相次ぎました。
吉本興業所属タレント6人が書類送検(2025年4月3日)
警視庁保安課は、オンラインカジノでの賭博の疑いで、吉本興業所属のタレント6人を書類送検しました。起訴を求める厳重処分の意見が付けられています。
書類送検されたのは以下の6人です。
- ダイタク・吉本大
- ダンビラムーチョ・大原優一
- 9番街レトロ・なかむら★しゅん
- ネイチャーバーガー・笹本はやて
- プリズンクイズチャンネル・竜大
- 最強の庄田
特に「9番街レトロ」のなかむら★しゅんは、2年間で約5,100万円を賭け、約1,200万円の損失を出していたことが報じられています。書類送検された6人は全員容疑を認めているとされています。
この件について、同じ吉本興業所属のチュートリアル徳井義実は、MBS「よんチャンTV」で「難しい。国内で何百万人っていう人がやってたというデータもあるっていうぐらいですから」と発言し、無料ゲームから始まって実際の賭博に移行する仕組みが「巧妙にできていた」との見解を示しました。
オリックス山岡泰輔投手が活動自粛(2025年2月23日)
オリックス・バファローズの山岡泰輔投手(29)が過去にオンラインカジノを利用していたことが発覚し、活動自粛となりました。この件を受けて、NPB(日本野球機構)は全12球団に対し、所属選手やスタッフで過去に利用した人がいれば申し出るよう要請しました。
現時点では、逮捕や書類送検には至っていませんが、プロ野球選手として初めてオンラインカジノ利用が公になった事例として注目されています。
吉本興業タレント2人が事情聴取(2025年2月5日)
双子のお笑いコンビ「ダイタク」の吉本大と「9番街レトロ」のなかむら★しゅんが任意で警視庁の事情聴取を受けたことが報じられました。その後、前述の通り4月に正式に書類送検されています。
なお、M-1グランプリ王者の「令和ロマン」の高比良くるまもオンラインカジノ利用を認めて活動自粛していますが、4月時点での書類送検者リストには含まれていませんでした。専門家によると「賭博罪の時効3年が成立していない事件を優先した可能性がある」との見解が示されています。
マネーロンダリンググループ「リバトン」の11人が書類送検(2025年1月20日)
「リバトン」と呼ばれる資金洗浄グループのリーダーら男性11人が、「組織的常習賭博罪」で書類送検されました。オンラインカジノでの「組織的常習賭博罪」適用は初めてのケースです。
この11人のうち、幹部の石川宗太郎被告(36)ら男6人は、既に詐欺などの罪で起訴されています。警察は「組織的常習賭博罪」を適用することで、単なる常習賭博罪(3年以下の懲役)より重い、組織犯罪処罰法(5年以下の懲役)での対応を目指しているとされています。
2024年のオンラインカジノ関連の主な事例
2024年も、オンラインカジノに関するかなりの数の検挙が相次ぎました。
青森市職員が常習賭博罪で逮捕(2024年12月23日)
青森市役所の職員、西澤範行容疑者(49歳)がオンラインカジノでの常習賭博の疑いで逮捕・送検されました。西澤容疑者は1月から6月にかけて、スマートフォンからオンラインカジノに接続し、バカラなどで外国通貨を賭けた疑いが持たれています。
匿名の情報提供を受けて青森市が警察に相談したことから発覚しました。その後、2025年3月10日に略式起訴となり、罰金10万円の有罪判決を受けています。また、停職3ヶ月の懲戒処分を受けた後、自主退職しています。
一般利用客57人が書類送検(2024年11月)
警視庁は、オンラインカジノで賭博を行った利用客57人を賭博容疑で書類送検しました。これらの利用者は「ビットカジノ」「スポーツベットアイオー」「ベラジョンカジノ」といったサイトを利用し、バカラ賭博や箱根駅伝での賭博を行っていたとされています。
特筆すべきは、ベラジョンカジノのユーザーが大規模に立件された点で、今後、立件される利用客は全国でおよそ130人に達する見通しとのことです。警察が海外の運営者に賭け金を送金するなどしていた決済代行業者を2023年に摘発し、その後サイトの利用客を特定する捜査を進めた結果と見られています。
YouTuber「卯月ちゃんねる。」が常習賭博幇助で逮捕(2024年9月19日)
ベラジョンカジノとアフィリエイト契約を結んでいたYouTuber「卯月ちゃんねる。」の伊達智美容疑者(34歳)が、常習賭博幇助の疑いで埼玉県警に逮捕されました。
伊達容疑者は、勧誘した客の負けた額の約30%をベラジョンカジノから受け取っていたほか、宣伝動画1本につき約7万円を広告費として受け取っていたとされています。オンラインカジノへの勧誘行為でアフィリエイターが逮捕されたのは全国初のケースです。
伊達容疑者は「違法だとは思わなかった」と容疑を否認していると報じられています。
決済代行会社「S.P.A」関係者が逮捕(2024年7月30日)
海外のオンラインカジノ「エルドアカジノ」で賭博させたとして、決済代行会社「S.P.A」の代表者を含む5人が常習賭博の疑いで逮捕されました。S.P.Aはエルドアカジノの決済代行を行い、多額の利益を得ていたとされています。
また、同時にエルドアカジノの利用者6人も賭博容疑で書類送検されています。
YouTuber「勇者トロ」が常習賭博で逮捕(2024年6月21日)
岐阜県養老町に住む自称YouTuber「勇者トロ」こと石川翔多朗容疑者(32歳)が、常習賭博の容疑で逮捕されました。石川容疑者は、オンラインカジノをしている様子を動画配信していました。
匿名の通報者から「オンラインカジノをしている様子を動画で配信している」という情報が警察に寄せられ、捜査の結果、逮捕に至ったとされています。初公判で石川容疑者は起訴内容を認めています。
YouTuber「ストマック」に懲役1年執行猶予3年の判決(2024年2月29日〜5月9日)
チャンネル登録者数約12万7千人の人気YouTuber「ストマック」こと藤野正一被告が、常習賭博の疑いで茨城県警に逮捕されました。藤野被告は2022年11月頃、オンラインカジノでバカラをしていた容疑です。
2024年5月9日、東京地裁水戸支部は藤野被告に対し、懲役1年・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。これは略式命令ではなく正式裁判での判決であり、オンラインカジノ利用者への厳しい姿勢が示された形となっています。
オンライン麻雀「DORA麻雀」運営者7人が逮捕(2024年2月19日)
英国マン島のオンライン賭博麻雀サイト「DORA麻雀」を日本国内から運営したとして、米国籍の会社員ランダル・アーロン・アシャー容疑者ら7人が賭博場開帳等図利罪で逮捕されました。
DORA麻雀はマン島からライセンスを取得して海外で運営されていましたが、運営の一部が日本国内で行われていたことが問題となりました。「賭博場開帳等図利罪」は、単純賭博罪や常習賭博罪よりも重い罪に該当します。
また、同時に利用者6人を単純賭博罪で検挙しています。
2023年以前のオンラインカジノに関する主な事例
決済代行業者「スモウペイ」関係者を逮捕(2023年9月27日)
オンラインカジノの決済代行業「スモウペイ」(SUMO PAY)の元実質経営者2人を常習賭博幇助罪で逮捕し、オランダ領キュラソーのオンラインカジノを利用していた日本国内の参加者18人を単純賭博罪で書類送検しました。
この事件では、約4万2000人が決済代行業者に登録し、4ヶ月間で40万回の入金があり、約200億円が海外に送金されていたことが判明。その後、11月には組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)で再逮捕されています。
YouTuber「りゅーき」に罰金50万円(2023年9月7日)
オンラインカジノ系YouTuber「りゅーき」こと宮田隆季容疑者が、常習賭博の疑いで逮捕されました。宮田容疑者は「寝る前にch」というチャンネルを運営し、オンラインカジノのスロットをプレイする様子を配信していました。
カジノサイトの運営側から動画配信の見返りに報酬を貰う契約をしており、約3,000万円を得ていたとされています。その後、略式起訴され、罰金50万円の有罪判決を受けました。
「ERA」リーダーの伐渡アーマッド裕樹被告に有罪判決(2022年9月20日)
悪質マルチ商法グループ「ERA」のリーダー、伐渡アーマッド裕樹被告が、オンラインカジノを利用した虚偽の儲け話で多額の金銭を集めたとして、特定商取引法違反の疑いで逮捕されました。
裁判の結果、懲役1年10ヶ月(執行猶予4年)、罰金300万円の有罪判決が下されています。
「ドリームカジノ」運営者の逮捕(2016年6月10日)
「ドリームカジノ」の実質運営者5人が、インターネットを通じて日本国内で賭博させたとして、常習賭博の容疑で逮捕されました。
判決では、会社役員に懲役3年(執行猶予4年)と約750万円の没収などの有罪判決が下されています。キュラソーからライセンスを取得していたものの、運営の実態が日本国内にあったことが問題となった事例です。
「スマートライブカジノ」利用者逮捕(2016年3月10日)
オンラインカジノ「スマートライブカジノ」の日本人利用者3人が、単純賭博罪の疑いで逮捕されました。これはオンラインカジノ利用者の初の逮捕事例となりました。
3人のうち2人は単純賭博罪で略式起訴されましたが、1人は裁判で争い、最終的に不起訴処分となりました。ただし、その後の事例では、オンラインカジノ利用者の多くが有罪となっており、例外的なケースと言えます。
逮捕や書類送検が急増している背景
近年、オンラインカジノ関連の逮捕や書類送検が急増している背景には、以下のような要因があると考えられます。
- 決済代行業者の摘発:「スモウペイ」など決済代行業者の摘発により、利用者の情報が押収され、それを基に捜査が広がっている
- アフィリエイターへの取締り強化:YouTubeなどでオンラインカジノを宣伝するアフィリエイターへの取締りが強化されている
- SNS監視の強化:警察によるSNSの監視が強化され、オンラインカジノ利用を公言する投稿が発見されやすくなっている
- 匿名通報の増加:知人や視聴者からの匿名通報が増加している
- 組織的対応の開始:警察がオンラインカジノを本格的な取締り対象として組織的に対応し始めている
まとめ
オンラインカジノで遊ぶことは、日本の法律では明確に違法行為です。特に近年は、以下のような傾向が見られます。
- 一般利用者も検挙対象に:以前は運営者や宣伝者が中心でしたが、現在は一般利用者も多数検挙されている
- 有名人・芸能人も例外なく:知名度や社会的地位に関わらず、有名人や芸能人も検挙対象となっている
- 罰則の厳格化:略式命令(罰金刑)だけでなく、正式裁判で懲役刑(執行猶予付き)が言い渡されるケースも増加
- 組織犯罪としての対応:単なる賭博罪ではなく、組織犯罪処罰法違反として対応するケースも出てきている
- 時効を意識した捜査:賭博罪の時効(3年)を考慮した計画的な捜査が行われている
オンラインカジノは「グレーゾーン」ではなく明確な「違法行為」であり、「バレないだろう」という認識は非常に危険です。特に2023年以降、検挙件数は急増しており、今後もこの傾向は続くと予想されます。
法律を遵守し、違法な賭博行為には関わらないようにしましょう。
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